人生のステージと投資効率について

資産運用

お金を得る方法は大きく分けて

  • 給与
  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 利子・配当所得

の4つがあると以前解説しました。

ここでは給与と不動産は一旦置いておいて、事業所得(副業)と配当所得(株式)の効率について考えてみたいと思います。
サラリーマンとして働きつつも、どうにかしてお金を増やしたいと思っている方向けの情報です。

株式投資は全員今すぐやるべきなのか?

これは結論だけであれば YES だと思っています。

ですが、「今すぐやるべき」なのと、「やったらすぐに儲かるか」は別問題です。

金融リテラシーを高めるための勉強の一環として株式投資をやるのは日本人全員にオススメしたいですが、実際に株で利益を出せるかどうかという観点で見ると、ある程度の資産額が無いと勉強や作業に充てた時間に対して得られるリターンが少なすぎます。

株式の投資効率

よくFXや株の広告で、1か月で30%アップ!とか1年で2倍に!とか謳っているものがありますが、そういう再現性のない話は一旦置いておきます。

適切な知識を持って資産運用した場合に、誰でも達成できる数字というのは年利4~7%程度だと考えて下さい。たまたま経済が成長した年であれば10%や20%といった数字も達成可能ですが、長期的に見て平均で年利10%以上の成果を上げるのはプロでも難しい数字です。

さて、仮に年利5%で運用が出来るとしましょう。
株を始めるために頑張って貯金をして100万円で投資を始めることにします。

100万円が1年後には105万円になりました!

これ自体は別に悪くはないのですが、ここで年間5万円を得るために費やした時間はどのくらいになるでしょうか?

人によるとは思いますが、自分の大事な貯金を100万円も預けることになるのですから、失敗しないように、損しないように頑張って勉強して投資をするのではないでしょうか?

初心者であれば口座を開設したり、株に出てくる用語や概念を理解するところからのスタートです。ある程度株に慣れている人でも四季報のデータを見たりチャートで経済指標を比較したり… と、なんだかんだで結構な時間を使うと思います。

株を始めようと思ってから10時間未満で実際の購入まで進む人は稀でしょう。色々調べている時間を含めると数十時間はかかると思います。
また、投資スタイルにもよりますが、購入した後も株価や業績、経済指標をチェックしたり、定期的に購入したりといった部分にも時間を使います。

最初の勉強に40時間、継続的な調査や勉強に月5時間ずつで年間100時間使ったとすると

5万円 ÷ 100時間 = 時給500円

になります。

自分の空いた時間に出来る事とは言え、時給換算してしまうとずいぶんと安く見えますね。

もしこれが資金1000万円での運用であれば、まったく同じことをやったとしても時給5000円になります。

初心者のうちからいきなり大金を運用するのはリスクを適切に管理できない事が多いのでおすすめはしませんが、資金額によってリターンが全然違うというのはイメージ出来たのではないかと思います。

短期的な視点でお金を増やす事だけで見るのであれば、株は最低でも300万円、出来れば1000万円くらいは資金が無いと効率が良いとは言えません。

副業の投資効率

株でお金を増やせるのはお金持ちだけってこと?お金が無い人はどうすればいいの?
という声が聞こえてきそうですので、ここで副業の投資効率についても考えてみましょう。

副業といっても色々ありますね。
2020年時点で誰でも始めやすく有名なところだと以下のようなものがあるでしょうか。

  • アンケートモニター
  • デリバリー
  • ライティング
  • せどり
  • 動画編集
  • Webデザイン
  • プログラミング

ここではストック型ではなく作業時間に応じてお金が貰えるタイプのものをピックアップしています。
始めやすく必要なスキルが少ないものから順に並べたつもりです。

アンケートモニターやデリバリーなどは登録すればほぼ誰でも出来て、時給換算で1000円~2000円程度は稼ぐことが出来ます。ライティングも最初は案件を見つけるのが大変かもしれませんが、これも慣れれば時給1000円~3000円程度の仕事をすることが出来ます。

このように、副業で稼げる金額というのは資金100万円で株を運用するよりも大きい金額になります。

仮に資金100万円を運用した場合を時給500円で換算するなら、時給1000円の副業をするということは資金200万円相当の働きと同じ、と考えることも出来ます。

どうでしょうか?副業で稼ぐことを金額に直してみると、思っていたよりも大きく感じるのではないでしょうか?

しかも、株は勉強してリスクをコントロール出来るようにはなっても、運用金額を増やさずに利益を増やすことは難しいです。
しかし、副業であればかけた時間に応じて収入が増えていきます。

株と副業に効率良く投資するには

既に説明したように、資金が無い状態では株で利益を上げるよりも副業でお金を稼ぐ方が圧倒的に簡単です。
しかし、資金があるのであれば、株を運用することで手軽な副業をするよりも多くの利益を上げることができます。

つまり

  • 資金が少ないうちから株だけで儲けようとするのは効率が悪い

ということです。

イメージしやすいように具体的な金額を挙げてみます。

  • 資金30万円
    • まずは貯金を増やせるように副業をする。
    • 年間10万~50万くらいを稼ぐイメージ
  • 資金100万円
    • 副業でお金を溜めつつ、株は勉強のつもりでする
  • 資金300万円
    • 株の運用を本格的に始めるが、まだまだ副業でお金を増やす時期
    • 株で年間10~20万、副業で年間50~100万くらい
  • 資金1000万円
    • ようやく株である程度の利益を出せるようになる。副業も併用した方が効率が良い
    • 株で年間50万くらい、副業でも年間50~100万くらい
  • 資金3000万円
    • 単価の低い副業をやるより運用益の方が大きくなるので、資産運用に力を入れる。
    • 単価の高い副業やストック型のビジネスは継続する
    • 株だけで年間100万以上を狙えるようになる

どうでしょうか?

思っていたよりも株に軸足を移すまでが遠いと思いませんか?

残酷に聞こえるかもしれませんが、資金30万や50万ではいきなり大金を稼ぐのはかなり難しいです。
資金1000万円くらいになるまでは、どんなに勉強してリスクコントロールして運用しても、その時間で本業の仕事をしたり、副業で稼いだ方が時間効率は良い、というのは皆さんに知っておいて欲しいと思います。

もちろん株の初心者がいきなり1000万円を運用したら失敗する可能性が高いので、資金が貯まるまで株をやるなと言いたいわけではありません。

ただ、資金が少ないうちの株式運用はあくまでも準備期間という位置づけで、いきなり株だけで儲けようという考え方はしない方が効率よくお金を増やすことが出来ます。

まとめ

  • いきなり資産運用だけで大金を得るのは難しい
  • 資産額に応じて副業と資産運用の力配分をコントロールするという考え方を持つ

今回は触れませんでしたが、給与を増やす(主に転職)、不動産所得を得る(融資を受ける)、というのももちろん組み合わせることが出来ます。

今の自分にとって、どの選択肢が一番効率が良いのかという点で考えることが大事かなと思います。

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